
判断対象は訂正後の請求項1
韓国特許法院は2026年7月8日、ラジエーターに関する特許第1855635号を扱った2025Heo10615判決を言い渡しました。出願日は2017年12月22日、登録日は2018年4月30日です。争点となったのは、ラジエーター本体と流体を集め、又は分配するヘッダータンクとの接続構造でした。
無効審判は2025年1月17日に請求され、特許権者は同年4月1日に訂正を請求しました。請求項2・3は削除され、訂正後の請求項1だけが残りました。特許審判院は同年10月31日の2025Dang157審決で無効請求を退けています。請求項1は、それぞれ三つの管部分が一体となった、寸法・形状の異なる二種類の接続部をタンクの異なる径方向に交互配置し、第1接続部を流入口又は流出口に相対的に近い径方向に置く構成でした。

管の形が異なるだけでは効果の違いにならない
先行発明2は、ヘッダーと伝熱管の接合構造に関する1997年10月21日公開の日本の特許公報です。従来技術としてU字形・V字形の曲げ部を説明していました。特許権者は、伝熱管の一部にすぎず独立した接続部がないと主張しましたが、請求項は別部品であることを要求していません。一体の曲げ部も対応する機能を果たし得るとされました。
法院は、本体面に垂直な管部分と一部が平行な管部分を備える構造と、斜めに延びるV字形との違いを認めています。しかし、流路を長くして流動抵抗を減らし耐久性を高めるという効果は、既知の曲げ部にも備わっていました。相互干渉の低減や露出空間の拡大は径方向を変えた交互配置によるもので、問題の形状差に固有とは認められませんでした。
先行文献でV字形を用いたのは、管が密集した場合の接合・溶接作業を容易にするためでした。接合位置をずらせばその目的を達成でき、V字形が不可欠とはいえません。同じ公報に開示され、従来から用いられていたU字形への変更に、特段の困難性はないと判断されました。

「近い」という配置は基準の特定が重要
もう一つの相違点は、第1接続部を流入口又は流出口に近い径方向に配置する点です。図示された実施例では入出口が本体の反対側にあり、側方から第1接続部の端は見える一方、第2接続部の端は隠れます。しかし、請求項1にはタンク上の入出口の位置・方向が特定されていませんでした。
入出口が本体側にあれば位置関係は変わり得ます。法院は図面の特定の配置を広い請求項に読み込まず、端部が見えるか隠れるかによる技術的効果も、明細書や提出資料から確認できないとしました。先行文献にも、入出口の図示はないものの、本体からの対応するずれが示されていました。
熱交換器の構造や製造上の便宜に応じ、第1接続部に近い径方向を含めて入出口の位置を選ぶことは容易で、選択による有意な作用効果の差も認められませんでした。
訂正後の請求項1について進歩性を否定
法院は個々の部品の公知性だけでなく、有機的に組み合わされた構成全体とその効果を検討しました。その上で、当業者は先行発明2から訂正発明を容易に想到できるとして進歩性を否定し、特許を無効とすべきであると判断して反対結論の審決を取り消しました。
削除された請求項2・3の進歩性を別途判断したものではありません。原告は新規性や拡大された先願の問題も主張しましたが、結論の根拠は先行発明2に基づく進歩性でした。他の主張まで認容されたと説明するのは適切ではありません。
位置の限定と効果を対応させる
位置関係を特徴とする場合は、その基準となる構造を明示し、請求した配置がなぜ効果を生むのかを説明することが重要です。図面が示す具体性と請求項の範囲が一致するとは限りません。曲げ管や交互配置一般の利点だけでは、相違する形状の技術的意義を説明し切れません。
本判決は、小さな形状変更が常に特許にならないとするものではありません。具体的な相違点、変更の容易性、請求された配置に対応する効果を一体として検討した事例です。
原図の表記と形状を保持しています。資料の内容は本文で説明しています。
