
争われた請求項の範囲
韓国特許法院は2025年1月16日、付加データを利用する拡張現実の特許10-1363559の請求項28について、無効審決の取消請求を棄却しました。出願日は2010年7月23日、登録日は2014年2月10日です。引用出願は2009年9月24日出願、2011年3月30日公開で、本件出願時には未公開でした。
進歩性とは異なる判断
韓国特許法29条3項の拡大先願は、先の出願の当初明細書又は図面に記載され、後に公開された発明との同一性を扱います。複数文献を組み合わせて容易に想到できるかという進歩性判断とは異なります。周知・慣用技術の微細な付加、削除、変更で新たな効果がなければ実質的に同一となり得ますが、単に変更が容易というだけでは足りません。

AR処理の具体的な内容
請求項28は、対象物の第1データと異なる第2データから代表画像・付加画像を生成し、比較分析の結果も利用して合成する方法です。カフェのロゴにWi-Fiや充電アイコンを添える例は明細書上の説明です。引用発明はカメラ画像に関心地点の情報を表示し、位置情報から移動距離や時間を算出していました。
「生成」の意味を明細書から読む
本件明細書の生成には、受信したロゴの抽出や、保存・検索した画像の選択も含まれていました。法院は新しい絵を描く場合だけに限定せず、選択した地点の関連画像を表示する引用発明と実質的に同じ機能と評価しました。移動時間を簡単なアイコンにする変更も新たな効果を生まず、同一画面への表示には情報の合成過程が伴います。

請求項28の無効が維持された理由
請求項や明細書に文字画像を除外する根拠はなく、引用表示にも字体、色、矩形、建物図が使われていました。相違は新たな効果のない微細な変更とされ、拡大先願違反が維持されました。別文献に基づく進歩性の主張が判断の根拠となったわけではありません。他の請求項全部の無効、新規出願の拒絶、侵害を判断したものでもありません。
処理と効果を具体化する
「生成」「分析」「合成」といった用語だけでなく、入力、処理手順、技術的結果を対応させることが重要です。既存情報の選択と異なる処理を主張するなら、その手段と効果を請求項・明細書で一貫して説明します。先行技術調査では公開日と出願日を分け、後日公開された先願の当初開示も確認する必要があります。
原図の表記と形状を保持しています。資料の内容は本文で説明しています。
