
再出願ではなく特許権の移転を求める
韓国特許法院は2026年7月2日、2025Na10278事件で第一審を覆し、特許法99条の2第1項に基づき特許第1840665号の移転を命じました。2017年2月17日出願、2018年3月15日登録の対象は蓄熱式排ガス処理装置(RTO)のシール構造です。会社側には、発明についての権原、特許発明との実質的同一性、独自開発ではなく冒用であることの立証が求められました。
会社への権利帰属を時系列で示す
約150頁の開発記録には、2008年8月19日のシリコーンゴムによる摺動式水平シール、同年11月1日の水平部材の上下にテフロン被覆部材を配置する構造が記録されていました。同月にRTOへ初めて適用されています。完成時の権利譲渡に関する発明者の陳述、標準化資料、企業買収資料などが、2010年までの会社への権利承継を裏付けました。

図面の一部ではなく請求項を対比する
法院は請求項1~16を先行する開発内容と対比しました。請求項1のダクト内外をつなぐ連結体は通常の機能を果たし、特別な効果を生じるものではありませんでした。請求項6には、被告が主張した円板数や開口面積の限定がありません。まず請求項の意味を確定することが同一性判断の前提となりました。
固定部の形状変更だけでは足りない理由
請求項15のI字形からY字形への変更は固定を強め得る一方、摺動接触とシール効果を実質的に変えるものではありませんでした。法院は、製造を複雑にするものの予測可能な固定力向上にとどまると評価しました。あらゆる形状変更が無意味だとする判断ではありません。

冒用を支えた証拠の組合せ
被告から独自開発を裏付ける当時のノート、スケッチ、実験資料は十分に示されませんでした。プレゼン資料の名称と不明確な由来、社内共有サーバーへのアクセス、製造の経緯、標準化会議への関与などが総合的に検討されました。別の退職従業員による情報持出しも背景事情です。役職やアクセス権だけで冒用を認定した事案ではありません。

実務への示唆
日付のある技術資料、発明者から会社への権利移転、各請求項と先行開発を結ぶ証拠を残すことが重要です。特許権移転請求と営業秘密に関する刑事事件、無効・訂正の手続は判断対象が異なります。本件は立証された事情の下での権利回復を扱うもので、IPLEXの代理実績を示す記事ではありません。
原図の表記と形状を保持しています。資料の内容は本文で説明しています。
