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引用先の変更は請求範囲の減縮になるか

韓国の異方導電性接続方法の事件から、引用による限定の脱落、再審査時の補正と進歩性を検討します。

2025Heo10348事件:引用関係の変更と請求範囲の減縮

異方導電性接続方法をめぐる手続

韓国特許法院は2026年7月8日、2025Heo10348事件で出願人の請求を棄却しました。対象は2023年4月10日出願の10-2023-0047136です。金属前駆体と硬化性樹脂を含む組成物を電極に塗布し、別の電極で圧着した後、熱または光で硬化させて接続する技術でした。異方導電性とは方向によって導電性が異なる性質で、前駆体は反応によって金属へ変わる出発物質を指します。

2024年6月の拒絶決定後、出願人は請求項を補正して再審査を請求しました。審査官は同年8月26日に補正を却下し、再び拒絶決定をしました。特許審判院も2025年3月13日に不服審判請求を棄却。訴訟では、補正の適法性と発明の進歩性がそれぞれ争点となりました。

図1:異方導電性組成物による電極接続の工程
図1:異方導電性組成物による電極接続の工程

第2項から第1項へ変更して失われた条件

補正前の第1項は基本的な接続方法、第2項は硬化段階で金属焼結体が硬化物中で相分離している条件を規定していました。第3項は第2項を引用し、スクリーン印刷やインクジェット等の塗布方法を付加していたため、第1項と第2項の条件も取り込んでいました。

補正後の第3項は第1項を直接引用し、相分離の条件が脱落しました。第1項の硬化過程を具体化し、第3項の塗布方法の表現も修正しましたが、それらは脱落した条件と同じ限定ではないと判断されました。明細書には相分離誘導剤の有無による電子顕微鏡写真がありましたが、写真の存在自体が失われた請求項の条件を補うわけではありません。

図3:相分離誘導剤の有無による電子顕微鏡写真
図3:相分離誘導剤の有無による電子顕微鏡写真

どの請求項の範囲と比較するのか

韓国特許法第47条第3項は、再審査請求時の補正を制限しています。当初の開示の範囲内にあることと、請求範囲の減縮に当たることは別の要件です。相分離を要求しなくなった第3項は、従来含まれなかった方法も対象とし得るため、減縮と認められませんでした。

出願人は補正後の第3項が補正前の第1項より狭いと主張しました。しかし、第1項自体は補正後も存続しています。裁判所は、これを許せば同じ独立項を基礎に別の請求項を新設するのと実質的に変わらず、再審査時の補正制限に反するとしました。引用先の変更が一律に禁止されたのではなく、従前の限定が他の修正によっても維持されなかった事案です。

補正却下後に判断された進歩性

補正却下を適法とした上で、裁判所は補正前の第1項を検討しました。先行発明1は金属被覆導電粒子を含む異方導電性樹脂組成物を用い、本願は金属前駆体と電極を接続する金属焼結体を用いる点で異なりました。先行発明2には、銅前駆体を焼成して銅を生成し、銅粉末をつないで導電経路を形成する技術がありました。裁判所は、その焼成過程に還元と焼結が含まれると捉えました。

両先行発明は電極接続用の導電性組成物という分野で関連し、先行発明2は異方導電性シートへの適用も示していました。導電性能を改善するために銅前駆体の技術を組み合わせる動機があるとして、進歩性を否定しました。前駆体だけで経路を作るとの主張も、第1項が他の導電粒子を排除せず、明細書にも粒子を加える実施例があるため採用されませんでした。

補正案と主張を整合させる

引用番号を直す前に、引用関係によって含まれる条件をすべて展開し、維持する条件と削除する条件を区別する必要があります。比較対象となる請求項と補正の時期も確認します。広い独立項より狭いというだけでは、従属項自身の範囲が減縮されたとはいえません。

技術的効果を根拠に差異を主張する際も、その効果の前提となる条件が請求項に含まれるかが重要です。本件では補正却下の適法性と第1項の進歩性欠如を理由に請求が棄却されました。一つの請求項に拒絶理由があれば出願全体を拒絶し得るため、残りの全請求項の進歩性を個別に否定した判決ではありません。

原図の表記と形状を保持しています。資料の内容は本文で説明しています。

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