
製造委託先の変更から生じた権利帰属の争い
韓国大法院は2026年1月15日、2022Hu10401事件で出願人の上告をいずれも棄却し、無権利者の出願を理由とする意匠登録の無効を認めた結論を維持しました。原審は特許法院2022年6月10日判決、2021Heo5358事件です。中心となる問題は外観の類似だけでなく、誰が意匠登録を受ける権利を有していたかという点にあります。
発注会社は2018年初め、携帯電話の保護フィルム貼付装置の開発を複数の企業に提案しました。共同開発先には選ばれなかった企業も独自開発を申し出て、発注会社の資料提供や助言・検証を受けながら装置を開発し、同年12月頃までに画面の端部形状に対応する複数の立体ローラーを納入していました。
実測・図面作成・製作だけでは創作者にならない
従前のローラーは全体がダンベル状で、中央から両端へ向かって厚みが二段階に増す形態でした。品質改善の要請を経て、発注会社は2019年2月頃にローラーを出願人へ渡し、製作を依頼しました。出願人は実測して図面を完成させ、同年5月頃に製品を製作した後、11月12日に出願し、2020年2月24日に登録を受けました。
本件に適用される韓国の旧デザイン保護法では、創作者又はその承継人が意匠登録を受ける権利を有します。最終図面を作成した者や製品を製作した者であることと、視覚を通じた美感を生む形態の創作に実質的に寄与したこととは区別されます。

勾配・幅・外皮の変更をどう評価したか
登録意匠では、一段目と二段目の間の勾配が緩くなり、その部分の幅が広がり、側面の外皮もやや厚くなっていました。大法院は差異を無視したのではありません。従前のローラー相互にも勾配や幅の差があり、外皮の厚さは金属軸を覆う材料の厚みに左右されることを検討しています。
これらは通常のデザイナーが一般に採り得る変更にとどまり、ダンベル状の全体形状と両端の二段の段差は維持され、美感にも影響しないと判断されました。従前の意匠は元の供給会社と発注会社の従業員の協議を通じて創作されたもので、後から製作を引き受けた出願人をその創作者とは認められませんでした。

製作の依頼と権利の承継は別に確認する
出願人が創作者又はその承継人から意匠登録を受ける権利を承継したことを示す資料もありませんでした。実質的な創作への寄与も権利承継も認められず、無権利者による出願に当たるとされたのです。原審の理由付けに一部適切でない点があっても、無効という結論は正当とされました。
製造委託先を変える際、現物を渡すだけでは権利関係は整理されません。発注会社が部品を所有していることと意匠に関する権利を処分できること、製作費を支払うことと出願に必要な権利が移転することは、それぞれ別の問題です。
公知・公然実施の有無は独立した争点
出願人は従前の意匠が公然と実施されていたかも争いました。しかし大法院は、無権利者の出願による無効事由は出願人に登録を受ける権利がないことで成立し、従前の意匠が出願前に公知又は公然実施となっていたかには左右されないとしました。
公開の立証を争うだけでは、創作への寄与や承継の欠如は解消されません。この判決を、製品同士が似ていれば常に登録が無効になるという一般論として理解するのは適切ではありません。
創作過程と権利のつながりを記録する
重要な外観を誰が考案したか、変更がなぜ行われたかを、日付のある図面、試作品、修正依頼、検討意見で示せるようにします。単なる寸法調整と新たな外観の具体的提案では評価の対象が異なります。これは検討のための例示であり、本件の追加的な事実ではありません。
外注契約では製作、図面の使用、意匠に関する権利の帰属・譲渡、出願人を明確に定めます。出願前には、変更が美感に及ぼす影響と、登録を受ける権利の承継を別々に確認することが重要です。修正の痕跡だけで出願の権原が証明されるわけではありません。
原図の表記と形状を保持しています。事件の事実関係と裁判所の判断は本文で説明しています。
