
三つの意匠を区別する
韓国大法院2026年1月15日判決(2022Hu10418)は、積極的権利範囲確認審判の適法性を扱いました。この韓国の手続は、権利者が特定の対象意匠について登録意匠の権利範囲に属するとの判断を特許審判院に求めるものです。登録意匠、審判書類で特定した確認対象意匠、相手方が実際に実施する意匠は、それぞれ別に確認します。
原審の特許法院2022年6月10日判決(2021Heo5365)は、確認対象意匠が審決時に相手方の実施する意匠とは認められないとして、確認の利益を否定しました。
類似性の前に、対象の同一性を確かめる
権利範囲に属するという審決の効力は、請求人が特定した対象に限られます。その対象と実際の製品に事実上の同一性がなければ、現実の製品には効力が及ばず、紛争解決につながりません。そのため審判請求は不適法として却下すべきとされました。
ここでの同一性は、相手方がその確認対象意匠を実施しているかという事実認定です。登録意匠との類否とは比較対象が異なり、二つの図面が似ていることだけで実施の事実を代替できません。
大法院が維持した判断の範囲
大法院は原審の審理・証拠評価に結論を左右する誤りがないとして、権利者らの上告をいずれも棄却しました。確認の利益があると仮定した原審の付加的判断に対する主張は、結論に影響しないため、さらに判断する必要がないとしました。
実際の製品に関するすべての侵害論点を解決した判決ではありません。例えば製品Aを問題にしながら、別バージョンBの図面を提出した場合、Bと登録意匠の類似だけでは相手方がBを実施することは証明できません。これは理解のための仮例であり、本件の実際の事実ではありません。
製品と書類を追跡できる証拠をそろえる
類否対比表の作成に先立ち、現物と対象図面・説明書の対応を確認します。撮影方向、型番、購入日、取引資料が同一の製品を示すことが重要です。
改良品や複数の仕様がある場合、どの時点のどの仕様を対象とするか明示します。別仕様の写真や図面を混在させず、相手方も実製品との相違を具体的資料で示すことが、手続上の争点整理につながります。
原図の表記と形状を保持しています。事件の事実関係と裁判所の判断は本文で説明しています。
