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ワンピースの意匠――全体の美感と創作容易性

韓国特許法院2024Heo13978判決における意匠の類否と、先行意匠の組合せによる創作容易性を解説します。

ワンピース意匠の類否と創作性

登録を維持した判決

韓国特許法院は2025年4月10日、2024Heo13978事件で原告の請求を棄却しました。対象は2022年11月15日出願、同年12月2日登録のワンピース意匠第1194176号です。特許審判院も2024年6月18日、2023Dang2402事件で無効審判請求を棄却していました。先行意匠1は2022年2月14日公開のワンピース、2・3は2020年8月19日及び2021年5月22日公開のブラウスです。訴訟の番号は審判段階の比較対象番号と同一ではありません。本稿は有効性判断の解説であり、IPLEXの新たな登録実績ではありません。

類否と創作容易性を分けて検討する

韓国デザイン保護法33条1項3号の類否と、同条2項の創作容易性は別の問題です。類否は各部品を切り離して数えるのではなく、公知部分も含む外観全体の美感から判断します。多様な先例があり構造上の制約もある婦人用ワンピースでは、類似範囲を比較的狭く捉えることがあります。白い長袖シャツ、チューブトップ型スカート、くびれた腰、開いた襟という共通点だけで結論は決まりませんでした。

登録意匠と先行意匠1の全体形状比較
登録意匠と先行意匠1の全体形状比較

襟元・胸元・袖の具体的な差

登録意匠は襟の前開きが狭く襟元のボタンがなく、後ろが分かれてファスナーを備えるのに対し、先行意匠1は広い前開きとボタン、連続した後ろ側を有していました。胸元は浅い中央の谷から緩やかに続く線であり、深い谷と急な円弧を描く先行意匠とは異なります。袖は折りによる肩の突出部から縦に内側のひだが走り、手首でY字に集まり、短い一つボタンの袖口となります。先行意匠1の丸く膨らんだ袖と長い三つボタンの袖口とは異なり、日常的に目に入るこれらの要部が全体として別の美感を形成しました。

襟元とチューブトップ胸元の線の比較
襟元とチューブトップ胸元の線の比較

ブラウスの袖を組み合わせても足りなかった理由

ブラウスの先行意匠2・3にも肩の突出部はありますが、内側のひだが湾曲して膨らみ、袖の外側線より外に見えます。登録意匠は外側線が直線的で、ひだが長さ方向に重なって正面から見えにくく、着用時には差が一層現れます。袖を長くするだけでは、ひだの数・間隔・折り方を説明できません。また襟の変更を容易とする具体的な主張・立証がなく、ブラウスにはチューブトップの胸元構造もありません。選択的に改変し組み合わせる一連の過程がありふれた低水準の創作手法であるとは認められませんでした。

袖のひだ・輪郭と着用状態の比較
袖のひだ・輪郭と着用状態の比較

図面と着用状態を結び付けた検討

裁判所は両方の無効理由を認めず、無効審判請求を棄却した審決を維持しました。衣服の意匠を検討する際は、差異が全体の美感にどう影響するか、提案された組合せを具体的にどう行うのかを説明する必要があります。対照図や着用状態の資料は、細部と視覚的印象を結ぶ根拠となります。共通の服飾コンセプトだけで類似とはならず、非類似という結論だけで創作容易性の問題が解消するわけでもありません。

原図の表記と形状を保持しています。事件の事実関係と裁判所の判断は本文で説明しています。

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