
判決と争点
韓国大法院は2026年1月8日、2025Hu10234事件の上告を棄却し、特許法院2025年8月14日判決(2025Heo10299)の判断を維持しました。無効審判請求は審判段階でも認められていません。争点は、通常のデザイナーが先行意匠17に先行意匠1または3を組み合わせ、登録意匠を容易に創作できたかです。
韓国法における判断枠組み
韓国デザイン保護法第33条第2項は、公知意匠や広く知られた形状・模様・色彩、またはそれらの結合から、通常のデザイナーが容易に創作できる意匠を登録対象から除きます。大法院は、ほぼそのままの模倣・転用、ありふれた手法による組合せ、全体として別の美感的価値を生まない商業的・機能的変更など、創作水準の低い意匠を挙げています。
要素の列挙と組合せの検討は異なる
各要素が先行意匠に存在することは、検討の出発点にすぎません。どのように変更・組合せを行い、その結果どのような外観全体が生じるかを具体的に説明する必要があります。1・3・17は本件の先行意匠を示す番号であり、登録番号ではありません。
本件の組合せ論が採用されなかった理由
登録意匠には先行意匠17との共通点がありましたが、相違点によって全体として異なる美感的価値が生じると判断されました。単なる模倣や商業的・機能的変更とはいえず、独自の外観的特徴を持つ先行意匠1・3・17を組み合わせても、登録意匠と同じ美感を容易に得られるとは断定できませんでした。大法院も法理の誤解や審理不尽などの違法を認めませんでした。
理解のための仮例
丸い取っ手を持つカップと、波状の胴部を持つ別のカップを組み合わせる仮例を考えると、比率、取っ手の位置、接合部分の処理によって外観全体は変わり得ます。これは説明用の例であり、公表判決で物品名が明らかにされているわけではありません。また、わずかな相違があれば必ず登録要件を満たすという判決でもありません。
無効主張と防御の組み立て方
請求人は、基礎とする意匠、取り込む要素、配置・比率、組合せ手法がありふれていたことの根拠を示します。権利者は、相違点が全体の美感にどう影響するかを具体化することが重要です。開発図面は参考になりますが、制作に要した時間や費用が判断基準ではありません。本件は上告棄却となり、この創作容易性の主張による登録無効は認められませんでした。
原図の表記と形状を保持しています。内容は本文で説明しています。
