特定された商品と実際の使用
2026年2月12日の韓国特許法院判決では、第9類のダウンロード可能なプログラム等を指定商品とする登録第1023406号の権利者が、010PAYの使用をモバイルアプリという商品への使用として特定しました。相手方は第36類の電子金融取引・決済サービス等に係る登録第1693566号を有していました。特許審判院は2025年5月1日の2024당1805審決で、特定された商品と実際の使用対象が異なるとして審判請求を却下しました。



利用者が取引していたもの
アプリは無料で導入でき、利用者はチャージしたマネーやポイントでモバイル商品券を購入し、店舗等で商品と交換していました。リットの抽選・ポイント付与も、その取引を促進する付随的な施策と評価されました。アプリ自体が独立の取引対象となる場合には商品に当たり得ます。本件は、無体物又は無料という理由だけでアプリの商品性を否定したものではありません。


収益と決済方式
収益の中心はインストールや単なるアプリ利用ではなく、商品券取引の手数料でした。チャージ残高に係る利息相当の利益も金融サービスに付随するものでした。提出されたGoogle・Appleの方針と、アプリストアのアプリ内課金ではなく外部決済を利用していたことも、外部の取引を媒介する手段との評価を補強しました。決済方式のみが商品とサービスを分ける絶対的な基準となったわけではありません。
却下審決を維持した理由
裁判所は、標章が特定されたソフトウェア商品の出所を示すとは認められず、実際の使用と一致しない対象について確認を求める利益がないとして、審決取消請求を棄却しました。商標が非類似であるとか、010PAYに関連するすべての使用が非侵害であるという結論ではありません。相手方の登録の存在だけで決したものでもありません。
出願と紛争への示唆
アプリを用いる事業では、ソフトウェアの提供と、そのソフトウェアを介したサービスの提供を整理し、指定商品・役務を選ぶ必要があります。紛争資料も画面上のロゴだけでは足りず、利用規約、取引の目的、決済金・手数料の流れ、利用価値が実現する場面を示すものが有用です。
比較図版は韓国語原文の形状と表記を維持しています。
