
シリコーン製水はねガードの無効事件
韓国特許法院は2025年5月22日、2024Heo14728事件で権利者の請求を棄却し、2024年8月26日の無効審決2024Dang417を維持しました。対象意匠第1223393号は2022年10月17日出願、2023年7月5日登録、先行意匠第1128630号は2020年9月1日出願、2021年9月15日登録です。判断の中心は韓国デザイン保護法33条2項の創作容易性でした。
共通する構成と三つの相違
両意匠は台座と垂直板、丸みのある角を備えた縁、山と谷が交互に現れる縦縞を共通にしていました。後願では縞がおよそ30本から15本となり、下部角の曲率が変わり、板と台座の間に補強リブが加わっていました。相違点の存在だけで創作性が決まるわけではありません。

間隔と曲率の変更
繰り返し模様の間隔・本数や角の丸みを調整することは、通常のデザイナーが容易に試みる表現手法とされました。全体観察でも、先行意匠に対して特別な美感上の価値を形成する相違とは認められませんでした。
支持機能の中で補強リブを捉える
補強リブはシリコーン製の垂直板を支える部分です。先行意匠も縞を密にし下部を厚くすることで支持力を確保していました。傾斜した補強材の追加は既知製品にも見られる商業的・機能的な変形であり、二段階の緩い曲面もその変形の範囲と評価されました。

代替形状があるだけでは足りない
権利者は複数の補強形状を選べると主張しました。しかし、選択肢の存在だけでは選ばれた形状の創作が困難だったとはいえません。既存の縦縞を維持しつつ板を支える傾斜リブは一般的な方法とされました。機能を備える意匠すべてが保護されないという意味ではありません。
全体の美感を説明する資料
法院は創作容易性を理由に無効とし、ほかの争点を判断する必要はないとしました。侵害判断ではありません。出願・無効対応では、変更箇所の数や便利さだけでなく、構成の選択が全体の視覚的印象にどう寄与するかを、制作過程の記録とともに説明することが重要です。
原図の表記と形状を保持しています。資料の内容は本文で説明しています。
