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意匠図面と使用状態から考える保護範囲

韓国特許法院2025Heo10374判決から、調節可能な製品の図面、全体的印象、利用関係を検討します。

意匠図面と使用状態の保護範囲を示す原文の代表画像

対象意匠と手続の経緯

韓国特許法院は2025年11月20日、2025Heo10374事件で原告の請求を棄却しました。登録第30-0657181号は、2012年2月10日出願、同年8月21日登録の寿衣用胸飾りに関する意匠です。四角い本体の左右に水平帯、下部に二本の垂直帯を備えます。権利者は2023年11月22日に積極的権利範囲確認審判を請求しましたが、特許審判院は2025年4月3日、2023Dang3712事件で棄却しました。本訴はその審決の取消しを求めるもので、登録自体の無効を争う事件ではありません。

登録意匠と確認対象意匠の斜視図・正面図の比較
登録意匠と確認対象意匠の斜視図・正面図の比較

調節できるという記載と図示された形態

登録図面の水平帯は左右対称で、確認対象意匠では左側が長くなっていました。原告は、側面の穴に帯を通して長さを調節できるという説明を根拠としました。しかし裁判所は、願書、図面・写真・見本と説明に表された意匠から保護範囲を定めるとしました。主張された非対称形状は図示されておらず、使用状態図からも相手製品と同程度の非対称形状へ当然に変化するとは確認できませんでした。変形の可能性と、使用に伴う予定された必然的変化は異なります。

登録意匠を寿衣に取り付けた使用状態の参考図
登録意匠を寿衣に取り付けた使用状態の参考図

使用時だけでなく取引時の外観も比較する

四角い本体と帯の配置は共通しますが、帯の端は四角と三角、背面の接合部は内部に隠れる構造と露出する構造という相違がありました。登録意匠の帯は可動式で、確認対象の帯は長さが非対称のまま固定され、水平帯と垂直帯の比率も異なります。着用時に結び目で端が隠れるとしても、購入時には端や背面を容易に観察できます。そのため全体の美感を左右する相違として考慮されました。

背面から見た帯の接合部の比較
背面から見た帯の接合部の比較

形状だけを無限定に保護する登録ではない

創作内容は形状と模様の結合であり、図面には実線の重複した縁取りがありました。使用状態図では本体内部に装飾が加えられ、帯は特定されない単色の無模様として示されていました。裁判所は意匠全体を模様・色彩の制限のない形状のみの意匠とは捉えませんでした。確認対象には仏教的な車輪と記号、装飾文字が配置され、異なる印象を形成していました。寿衣用胸飾りは古くから存在し、基本構成も既知であるため、新しい物品として類似範囲を広く認める主張も退けられました。

共通する要素だけでは利用関係にならない

裁判所は類似性とは別に、後の意匠が登録意匠の要旨全体を本質的特徴を損なわず取り込み、実施すれば必然的に先の意匠も実施する関係かを検討しました。端部、接合部、長さ、比率及び装飾の相違から、この関係も否定されました。仮に形状のみの意匠と解しても、形状上の差異が残るため結論は変わらないとされました。装飾だけが決定要因だったわけではありません。

出願と製品比較への示唆

確認対象意匠は同一・類似ではなく利用関係にもないため、審決取消請求は棄却されました。調節可能な製品では、保護を求める変形状態を具体的に示し、説明と図面を対応させることが重要です。使用場面と取引場面の双方から全体を比較し、使用中に隠れても購入時に見える部分を検討します。類似性を検討した後も利用関係は独立に確認し、共通部分だけで結論を出さないことが求められます。

原図の表記と形状を保持しています。事件の事実関係と裁判所の判断は本文で説明しています。

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