
技術比較だけでは解決しない適法性
韓国大法院2025年9月11日判決(2024Hu10436)は、特許権者が相手方の技術は自己の権利範囲に属すると主張する積極的権利範囲確認審判を扱いました。2022年4月29日の請求は、特許全体ではなく、2019年に訂正された請求項1を基準としていました。
特許審判院は2023年5月9日、対象発明の特定不足と実施発明との相違を理由に却下しました。特許法院は2024年4月4日、2023Heo11944事件で審決を取り消しました。大法院は技術比較の主要部分を是認した一方、別の適法要件の審理が不十分として破棄差戻しとしました。
確認対象発明と実際の実施態様
対象装置は型枠、作業台、安全レール、ウェーラー、連結具等からなり、ウェーラーがレールに対して上昇すると建物外壁との距離が広がる構造でした。連結具の上端はウェーラーに対して相対回転せず、下端はレール側のブレースに沿ってスライドするように結合されていました。
特定には製品の全構成を書き尽くす必要はなく、請求項に対応する構成を相違点の判断に足りる程度に示せば足ります。SRブレース、SRコネクター等の名称の違いは基本構造・結合関係を変えず、図2・図3も相手方カタログと事実上同じでした。対象発明が実際に用いられているという判断は維持されましたが、実施されていない技術を対象とすれば確認の利益はありません。
後願登録特許との関係は別に審理する
先に登録された特許に基づき、後に登録された発明を対象として積極的確認を求めると、無効手続によらず後者の効力を否定することになるため、原則として不適法です。ただし、韓国特許法98条の利用関係があり、後登録特許の有効性を否定せずに範囲確認ができる場合には例外が認められます。
相手方は実施発明が自己の後登録特許と同一であると主張し、請求人は訂正後の請求項1との利用関係を主張していました。具体的な特定と実施の一致だけでは、この争点は解消しません。対象が後登録特許の具体的実施態様なのか、必要な利用関係があるのかを検討する必要があります。
差戻しの意味と準備する資料
確認の利益は職権調査事項です。法院がすべての事実・証拠を独自に探す義務まではありませんが、記録から疑いが生じれば、釈明を通じて当事者の主張・立証を促し、審理しなければなりません。大法院はこの点の不足を理由に差し戻したのであり、利用関係や侵害を最終認定したものではありません。
審判前には有効な訂正後請求項、確認対象の説明、実機図面、後登録特許を分けて整理します。似た名称や二つの特許が存在するという事情だけでなく、具体的実施態様と利用関係を示す資料を用意することが、適切な手続選択につながります。
原図の表記と形状を保持しています。事件の事実関係と裁判所の判断は本文で説明しています。
