使用されなかった化粧品商標
2026年3月12日の韓国大法院判決は、2019年8月26日登録の化粧品商標の不使用取消しに関するものです。権利者は2014年からアクセサリーに先使用商標を用い、2019年10月8日に相手方の化粧品商標の無効審判を請求しました。その無効は2023年7月27日に確定しましたが、相手方はそれ以前の2022年8月29日、権利者の商標について16の指定商品を対象に不使用取消しを求めていました。
使用と正当な理由の立証
本判決が扱った韓国法上の枠組みでは、審判請求前の継続3年以上の国内不使用が取消原因となり得ます。被請求人は対象商品中少なくとも一つについて期間内の正当な使用、又は不使用の正当な理由を立証する必要があります。出願時の使用意思は、登録後の不使用を正当化する事情とは別に評価されます。
紛争リスクだけでは足りない理由
原審は侵害や刑事責任のリスク、相手方登録の有効性の不確実性、発売準備を重視しました。大法院は、使用者が支配できない客観的・外部的な障害が継続していたことを要するとしました。不可抗力、法的規制、販売禁止や輸入制限などとは異なり、営業不振や紛争への懸念は原則として事業者内部の判断に属します。なお、商標の称呼の類似は認められており、衝突がないから懸念は不要だとしたわけではありません。
無効争いと発売準備の評価
相手方登録への無効審判請求は自らの商標の使用ではなく、具体的な侵害判断や使用禁止義務を意味しません。包装のデザイン委託、営業登録、OEM・流通の協議、教育の受講も、それだけでは不使用の正当な理由となりませんでした。侵害紛争では無効や権利濫用の主張を含め客観的判断を求める余地があり、本件では不可抗力や法的規制による取引不能は認められませんでした。
差戻しの意味と権利管理
大法院は原判決を破棄差戻しとしました。使用しても侵害責任を負わないと宣言したものではありません。紛争対応と不使用取消しのリスクを並行して管理し、発売準備と実際の取引上の使用を区別して記録する必要があります。真に外部的な障害がある場合は、その内容と継続期間の立証も重要です。危険を無視して使用すべきだという趣旨ではありません。
