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後から登録された品種名で、先登録商標も無効になるか

高麗人参の商標「天壹蔘」をめぐる韓国判決から、登録の先後と市場における識別力の証拠を検討します。

人参の商標と後発の品種名の解説

先登録商標と無効審決の取消し

韓国特許法院は2026年9月1日、2025Heo10592事件で「天壹蔘」の登録無効審決を取り消しました。商標第0547090号は2001年10月11日出願、2003年3月3日登録査定、同年5月6日登録で、指定商品は人参、紅参、その加工品、太極参です。特許審判院は2024Dang693事件で2025年9月3日、登録後の識別力喪失を認めましたが、裁判所は登録時にも登録後にも、主張された無効理由を認めるに足りる証拠はないと判断しました。

登録商標「天壹蔘」の表示
登録商標「天壹蔘」の表示

品質を連想させても直ちに品質表示とはならない

「蔘」は人参を意味するため、中心となったのは韓国語でCheonilと読まれる「天壹」です。裁判所は、辞書的な意味のない造語と捉えました。希少性や最上位を連想させるとしても、一般需要者が直ちに品質等級を理解するとはいえません。専門家が知る等級名Cheonsamの存在だけで、需要者がCheonilを同様に認識することは証明できず、客観的裏付けを欠く業界団体の説明も十分ではありませんでした。

包装上の位置と表示の役割

複数の包装では、中央に高麗人参や太極参を示す商品名が大きく、その上や包装上部に「天壹」が小さく表示されていました。Cheonilを商品名に含む例でも、原材料として韓国産太極参や紅参が別に記載されています。こうした実際の用いられ方からは、「天壹」が商品の普通名称や慣用標章になったとは認められません。他社の包装にあるという事実だけでなく、どの位置で何を示す表示として使われているかが重要です。

商品名と「天壹」の位置を示す人参製品の包装
商品名と「天壹」の位置を示す人参製品の包装

品種名の登録は商標登録より後だった

人参の品種名Cheonilは2008年11月18日に出願され、2012年3月15日に品種保護権の設定登録がされました。相手方が引用した大法院2004年9月24日判決・2003Hu1314事件は、品種名の登録後に商標を出願した事案であり、本件とは先後関係が逆です。後発の品種登録のみで先登録商標が当然に普通名称になるとはせず、実際の使用と時系列を検討する必要があります。旧種子産業法にも、先の商標出願・登録と誤認混同を生じる品種名の登録を制限する規定がありました。

限定的な使用例だけでは識別力喪失を示せない

Cheonilを含む商品名は94件でしたが、人参・紅参の商品は数千件に及び、その比率から広範な普通名称化を認めることはできませんでした。同語を含む結合商標の登録も、その語自体の識別力喪失を意味しません。中国市場の一部の表示例から韓国の需要者の認識を推認することにも限界があります。権利者が包装や広告の目立つ位置でブランドとして使用していたことは、出所表示機能の継続を支える事情とされました。

権利者の紅参製品に表示された「天壹蔘」ブランド
権利者の紅参製品に表示された「天壹蔘」ブランド
権利者の太極参製品に表示された「天壹蔘」ブランド
権利者の太極参製品に表示された「天壹蔘」ブランド

時系列と取引実情を結び付けて立証する

品種名を理由とする無効主張では、商標出願・登録、品種名出願、品種保護権登録の各時点を区別し、実際の使用と需要者の認識を示す証拠に結び付ける必要があります。権利者側も日付の分かる包装、広告、販売資料を保存しておくことが有用です。本判決は提出証拠に基づく無効理由を否定したもので、特定の第三者による使用が侵害に当たるかを判断したものではなく、先登録商標が将来の識別力喪失から常に保護されるという趣旨でもありません。

原図の表記と形状を保持しています。事件の事実関係と裁判所の判断は本文で説明しています。

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