
出願意匠と先行意匠
韓国特許法院は2025年4月17日、2024Heo71事件で請求を棄却しました。2022年7月11日出願の第30-2022-27784[M004]号は、壁や床に用いる施釉した粘土・陶磁器製タイルに関するものです。比較対象は2012年6月20日に公報掲載された登録第648665号でした。両者には飛翔する鳥の図案と、その周囲の「THE FLIGHT OF BIIKJO」という文字模様が共通していました。
先行意匠の鳥の図案は一つでしたが、出願意匠では中央の大きな図案を12個の4分の1サイズの図案が囲んでいました。格子状の縁取りと創作者名とみられる形状は削除され、文字の形も変更されました。審査官は新規性を否定して拒絶し、特許審判院は2024年7月24日の2023Won1933審決で、類似性と創作容易性を理由に拒絶を維持しました。
類似性と創作容易性は別の判断
韓国デザイン保護法33条1項3号では、先に公開された意匠との類似性が問題になります。裁判所は外観全体を観察し、目を引く要部と取引・使用時の美感を比較しました。同条2項は、その分野の通常の知識を有するデザイナーが、公知形態等から容易に創作できるかを問う規定です。美感が異なるだけでは、後者への回答にはなりません。
本件ではタイル正面の図案が特徴を最もよく示していました。同じ鳥の図案でも、周囲に12個を配した構成は複雑で華やかな印象を与え、タイルを格子状に敷き並べた状態でも美感に相当な違いが生じました。配置が需要者の注意を引く一方、文字の細かな形や縁取り・名前の有無は微差でした。このため、引用された先行意匠との関係では33条1項3号の類似意匠には当たらないとされました。

配置の変更は容易な創作とされた
創作容易性については結論が異なりました。既存の鳥の図案と文字の枠を一定比率で縮小し、タイル内に繰り返し配置することは、通常のデザイナーが容易に試みる創作手法でした。中央を12個の縮小図案で囲む具体的配置にも、特別な創作性は認められませんでした。中央の四角形の周囲に同じ又は異なる大きさの四角形を置いた公知タイルも、参考事情とされました。
比重の小さい縁取りや名前の削除、文字形状の微修正、基本的な配色構成を保った陰影の反転も、容易に試み得る変更でした。これらを総合して、33条2項により登録できないと判断されました。

理由の一部が違っても拒絶の結論は維持
審判院の類似性に関する理由には一部適切でない点があっても、創作容易性によって拒絶の結論は正当とされ、審決取消請求は棄却されました。本件は特定の意匠出願の拒絶を争う事件であり、登録意匠の侵害・無効事件ではありません。また、非類似の判断が他のすべての新規性・登録要件の充足を意味するわけでもありません。
外観の相違と創作上の特徴を別々に示す
出願時や拒絶対応では、全体構成と目立つ部分の相違を示し、タイルなら敷き並べた使用状態も検討します。そのうえで、縮小、反復、削除、組合せといった通常の手法を超える特徴がどこにあるかを整理します。製作に時間を要したことや、より華やかに見えることだけでは十分ではありません。
判決は反復配置を用いた意匠一般の登録を否定したものではありません。共通の図案、具体的な配置、変更の程度を評価した事例です。個々の形状と結合、分野の一般的傾向を踏まえ、美感の違いと創作水準の双方について説明を準備することが重要です。
原図の表記と形状を保持しています。事件の事実関係と裁判所の判断は本文で説明しています。
