
判決の対象を正確に捉える
韓国特許法院は2026年7月23日、2025Heo10266事件で審決取消請求を退け、無効審決を維持しました。対象は「グリップトック」と読まれるハングル表記の登録商標第1500633号で、2018年7月3日出願、2019年7月16日登録です。先に登録された英字GripTok商標は別の権利です。
判断の対象商品は、携帯電話用スタンド、スマートフォン用マウント、スマートフォン用支持具、スマートフォン用ホルダー、携帯電話用ホルダーの5種類です。ケースや保護フィルムを含む全商品、又は別件の英字商標まで無効になったと説明してはいけません。無効審判は2023年11月22日に請求され、27日に登録原簿へ公示されました。2023Dang3717事件の審決日は2024年11月29日です。

出所表示か、商品の普通名称か
争点は、表示が特定の事業者の出所を示すのか、それとも商品の一般的な名称になったのかでした。「grip」と韓国語の音的要素を組み合わせた造語であっても、後に普通名称となる可能性はあります。権利者の信用と一般的な商品名を使用する公益の双方を踏まえ、慎重な判断が必要です。
法院は韓国商標法117条1項6号及び33条1項1号などに基づく後発的な識別力喪失を検討しました。出願当初から登録要件を欠いていたことや、主張された他の無効理由をすべて確定する必要はありませんでした。
市場ではどのように呼ばれていたか
SMARTTOK、SMARTPOP、smart grip、Mobile Phone Stand、FingerTokなどの名称で販売される他社製品にも、販売者や消費者が対象のハングル語を使っていました。通販上の分類、報道、公的機関の用例も、ブランドだけでなく商品カテゴリー名としての使用を示していました。
2019年から2023年末までの公文書では、自治体、学校、機関による配布品や製作体験など約1,649件が確認されました。携帯電話の背面に付けて保持・支持に使う物品を指す用例です。2024年3月のオンライン調査では約16万人の回答者の95%が同語を選んでおり、既存の使用実態を補強しました。ただし、この調査は審判請求後のものです。

OEM包装と共同企画の表示
権利者の2016~2019年のOEM事業資料では、当該語が商品名・モデル名として使われていました。取引先ブランドと同語を組み合わせた共同企画の表示や、一部包装で取引先のみを製造者とする表示は、独立した商標としての出所を一貫して伝えるものではありませんでした。
契約例の一つも、商標使用に関する条項を設けず、物品名として同語を使っていました。商品名欄への記載やOEM取引だけで当然に普通名称化するという意味ではなく、取引上の表示全体が評価された点が重要です。

権利行使や代替語の主張では覆らなかった
権利者は異議申立て、情報提供、登録商標表示や警告などを挙げました。和解は2019年に1件、2020年に5件ありましたが、確認された多数は2023年11月~2024年2月に集中し、普通名称としての使用が広がった後でした。これらの対応によって需要者の認識を示す証拠が覆るとはされませんでした。
スタンドやホルダーなどの候補語は広い機能・商品分類の説明であり、実際の市場呼称とは限りません。インターネットやSNSで急速に用語が広がるため、10年未満なら普通名称化しないという基準も採用されませんでした。知名度と出所識別力は区別されます。
日常の表示管理への示唆
実務では、包装、取引先への表示指示、OEM契約でブランドと一般的な商品説明を分け、市場でどのような意味で使われているかを確認することが考えられます。言及件数が多いだけでは、商標として認識されているとはいえません。
これは判例を踏まえた実務上の考察で、法院が新たな義務を命じたという意味ではありません。有名な商標がすべて普通名称になるとの判断でもなく、その後の上訴の結論は本資料から確認していません。掲載図は韓国の事件で扱われた元の資料を保持しています。
原図の表記と形状を保持しています。事件の事実関係と裁判所の判断は本文で説明しています。
