
健康飲料の登録に対する無効審判
韓国特許法院は2026年6月18日、ウルエクの登録無効請求を退けた審決を取り消しました。登録第1732944号は2020年2月19日出願、2021年5月28日登録で、第32類の健康飲料、ビタミン飲料、エナジードリンク等を指定商品とします。2023年12月7日の無効審判請求に対し、特許審判院は2025年11月25日に請求不成立の審決(2023Dang3870)をしていました。
原告が援用したのは、先登録商標と、肝機能改善薬に使用してきたウルサの先使用商標です。登録の存在と、使用を通じて需要者に広く知られていることは別の問題です。本件では、ウルエクの出願時における先使用商標の著名性が判断の中心となりました。



出所混同と識別力の毀損を分けて考える
韓国商標法第34条第1項第11号は、他人の商品・営業との混同のおそれと、著名商標の識別力又は名声を損なうおそれを対象とします。同じ企業の商品と誤認する場合だけでなく、経済的な関係があると受け取る場合も問題になります。出所を区別できても、特定の出所との強い結び付きが弱まることがあります。
ウルサは1961年に発売され、1974年には軟カプセルが登場し、1978年頃から広告が行われていました。長年の著名人広告、販売実績、関連市場での認知が、2020年2月時点の著名性を裏付けました。医薬品市場全体でのシェアだけではなく、商品分野での地位と広告の蓄積を総合的にみています。
語尾の相違だけでは混同を避けられない理由
裁判所は、ウルエクの「エク」が液状という性状を示すため識別力が弱く、「ウル」が要部になると判断しました。ウルサの広告でも「ウル」が強調されていました。ただし、語頭が共通すれば常に類似するという一般則を示したわけではありません。
健康や疲労回復という用途、需要者、薬局等の販売経路にも接点があり、著名な医薬品の液状製品と連想される可能性がありました。化学名やラテン語に由来するという説明より、通常の需要者の認識が重視されています。2021年の関連する第5類出願の拒絶経緯も連想を意図したとの評価を支えましたが、本件の対象はあくまで第32類の登録です。
判決の射程と実務上の備え
特許法院は、出所混同と識別力の毀損のおそれを認め、第11号により登録を無効とすべきとして反対の審決を取り消しました。他の無効理由を判断する必要はないとしています。ここで説明するのは判決の内容であり、現在の登録原簿の状態を別途確認したものではありません。
商標調査では文字の違いや区分番号だけでなく、要部、ブランド展開、取引実情、名称から生じる連想を検討する必要があります。既存ブランドを守る側は、基準日当時の認知度を示す広告、販売、使用資料を日付とともに保存しておくことが重要です。
原図の表記と形状を保持しています。事件の事実関係と裁判所の判断は本文で説明しています。
