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オーストラリアの商標出願・登録:手続き、期間、TM Headstart

オーストラリアでブランドを保護する企業向けに、出願から審査・登録までの流れと、TM Headstartによる事前審査制度をまとめました。

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オーストラリアへの進出が増えるにつれ、商標出願・登録への関心も高まっています。出願、審査、登録という基本的な流れは韓国等と共通しますが、TM Headstartの事前審査、識別力の判断方法、出願日を基準とする存続期間など、実務上の特徴があります。
本稿では、オーストラリアの商標出願手続と所要期間、同国の制度で特に留意すべき特徴を紹介します。

商標登録の手続と所要期間

出願 → 審査 → 公告 → 異議申立て → 登録
(1) 出願
IP Australiaに商標出願を行い、保護を求める商品・サービスを指定します。商品・サービスはニース国際分類に従って整理します。
出願方法には、通常の出願(Standard Application)とTM Headstartがあります。通常の出願では出願日が優先日となり、登録された場合はその日を基準に権利が認められます。
(2) 審査と意見書の提出
出願後、審査官が商標の登録要件を審査します。審査は一般に出願から約3~4か月で行われます。 
識別力や先行商標などの問題がある場合は、審査報告書(Examination Report)が発行されます。原則として15か月の受理期限内に、応答や補正によって指摘事項を解消する必要があります。
(3) 出願の受理と異議申立て
審査で要件を満たすと出願が受理され、公告されます。
公告後の異議申立期間は2か月です。この間、第三者は法定の理由に基づいて異議を申し立てることができます。異議申立てがない場合、または申立てに関する問題が解消された場合は、登録へ進みます。
審査を通過すれば直ちに登録されるわけではありません。出願、審査、受理・公告、2か月の異議申立期間を経て、登録に至ります。
IP Australiaの案内では、出願から登録までには少なくとも約7か月を要します。審査結果、意見書提出の有無、異議申立ての有無などにより、実際の期間は変わります。

オーストラリアの商標制度の3つの注目すべき特徴

1. 正式出願前に利用できるTM Headstart
オーストラリアの商標制度の特徴の一つが、TM Headstartです。
正式な出願前に、商標が登録要件を満たすかについて審査官の事前評価を受けられる制度です。
通常は5営業日以内に評価結果が示され、その後5営業日以内に修正や正式出願への移行を検討します。
TM Headstartの申込み自体で正式な出願日が確保されるわけではなく、正式出願に移行した日が出願日になります。
初めて出願する企業にとって、正式出願の前に商標や指定商品・サービスの問題を確認できる点が利点です。
TM Headstartは商標登録を保証する制度ではなく、専門家による先行商標調査に代わるものでもありません。
2. 識別力の判断とディスクレーマー
商標登録では、商品・サービスの出所を識別できることが重要です。
単に珍しい表現かどうかではなく、取引者や需要者がどのような意味に理解するか、他の事業者が説明的な表示として使用する必要があるかなどを検討します。
商品・サービスの性質を説明する語や一般的な表現は、そのままでは登録が難しい場合があります。
ディスクレーマーの取扱いにも留意が必要です。
ディスクレーマーは、商標の一部について独占的な権利を主張しない旨の表示です。オーストラリアの現在の実務では任意の権利制限であり、旧制度のように審査官が課す条件ではありません。
ディスクレーマーを付しても、商標全体の識別力の判断は変わりません。IP Australiaも、両者を区別しています。
指定商品・サービスとの関係で、商標全体に識別力があるかを検討する必要があります。
3. 存続期間は出願日から10年
商標権の存続期間を計算する際は、起算日に注意が必要です。
オーストラリアの商標登録期間は、出願日から10年です。
例えば、2026年9月16日に出願し、2027年5月23日に登録された場合、存続期間は出願日である2026年9月16日から10年間です。
審査や異議申立てに時間を要しても、登録日から改めて10年間が始まるわけではありません。
登録商標は10年ごとに更新することで維持することができます。

出願前に確認する事項

希望する名称だけでなく、次の点を併せて確認します。
オーストラリアで実際に使用する商標
同一・類似の先行商標の有無
現地の実務に適合する指定商品・サービスの記載
商標の識別力
オーストラリアに初めて進出するブランドは、正式な出願前に審査官の予備的な見解を得るため、TM Headstartの利用を検討できます。

オーストラリアの商標制度は、出願、審査、受理、異議申立て、登録という基本的な流れを取りますが、具体的な実務には他国と異なる特徴があります。
特に、進出を予定する企業は、
① 正式出願前に審査官の予備審査を受けられるTM Headstart
② 識別力の審査とディスクレーマーの取扱い
③ 出願日から10年の存続期間
を確認して、出願と権利維持の準備を進めます。
韓国で登録された商標をそのまま海外に出願するだけでなく、オーストラリアの識別力の判断、指定商品・サービスの範囲、先行商標との関係を踏まえた出願方針を検討することが重要です。

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